2018年2月23日金曜日

How would you phrase "You scared me!" in Japanese?

お久しぶりです!このところ、ずっと断捨離(だんしゃり:要らない物を捨てまくること)をしていて、ごみとたたかっていました!全然使わないのに置いてある物がたくさんありすぎて、掃除は本当に大変でした。あと少し残っていますが、これは少しずつ片付けていこうと思っています。大変だけど、断捨離をおすすめします。1年以上着ていない服は二度と着ないでしょ?取っておく必要はありませんよね?

さて、日ごろから私は「日本語は結果に視点を置く傾向がある」と考えています。みなさんはこういう風に考えたことがありますか?「結果に視点を置く」という意味がつかみにくいかもしれませんので、例文をあげますね。
(かぎを探していて)かぎがあった!かぎが見つかった!
これは普通の言い方です。英語なら "I found it!" と言うでしょうか。
英語が自分の行動を表現しているのに対して、日本語は結果を表現しています。

他には「~てある」の文も明らかに視点は結果に置かれています。
A:ホテル、予約した?   B:もう、してあるよ。
C:プレゼント、もう買った?   D:買ってあるよ。 
「予約した、買った」という行動の後の結果(状態)を表しています。

次の例は英語から提示します。
You scared me!
(私は)びっくりした! 
明らかに、英語は行動、日本語は結果を表しています。「 あなたが私を脅かしたから、私はびっくりした」という流れです。日本語で "You scared me!" を「あなたが私を脅かした!」とは絶対に言いません。

日本語らしい表現「お世話になります/なっています/なりました」もこの例に入ると思います。これは訳すのが難しい文ですが。
お世話になります。(Thank you for working with me. I appreciate your assitance.)
「世話をする」="look after" で、「世話になる」はその受け身形 (passive form) です。つまり、"You look after me." は他の人の行動で、「世話になる」は私が受けた結果です。でも、「あなたは私をお世話しました。ありがとう。」とは絶対に言いません。

英語と日本語の違いが見えたでしょうか?日本語は結果に視点を置いていると思いませんか?この違いをうまく言い当てているのが、片岡義男(かたおか よしお)さんです。彼の本『日本語と英語 その違いを楽しむ』(*1)の中で彼は「英語の動詞は働きかける」と書いています。
働きかける:あるものが他のものに積極的に動作・作用をしかける(*2)
私はこの「働きかける」という説明が英語らしさを端的に表していると思います。片岡さんが本の中で出した例文を書きます。
What makes you think you are right about that? (働きかけの文)
上記の英文の日本語訳:どうして自分が正しいと思うのですか? (結果の文)
"make" は「何があなたをそうさせたの?」と働きかけています。一方、日本語は「自分が正しいと思っている結果、または状態」に言及しています。「何があなたをそう思わせたんですか?」という文もあり得ますが、特別な感じがします。

最後の例は「よかった」。友だちからいいニュースを聞いたら、「よかったね」と返すのが普通です。
友だち:試験に合格したよ!
あなた:よかったね!
英語なら "I'm glad to hear that." などと言いそうですね。「その結果を聞いて、私はうれしい。」 ということで、結果の文ですが、日本語では「私はうれしいよ!」とは言わずに試験に合格した」という結果が「よかった」とすごく簡潔な反応になっていると思います。ただ、みなさんも知っているように「よかったね」の言い方を変えれば、話者の感情は何通りにも表現できるので、「よかった」の中には話者の感情もちゃんと含まれています。

「視点がどこに置いてあるか?」ということを考えながら、日本語の文を分析してみると、新たな発見があるかもしれませんよ。


*1『日本語と英語 その違いを楽しむ』、片岡義男、NHK出版、2012年
*2『デジタル大辞泉』、小学館


2018年1月16日火曜日

2018年 新年のあいさつ

あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします。
2018年、みなさんは何をしようと思っていますか?私は英語力をもっと高めて、できれば韓国語の勉強もしてみたいです。(なぜかと言うと、韓国人が日本語を習うと、びっくりするほど早くは上手になります。韓国語と日本語はよく似ているということです。だから、私が韓国語を勉強したら、どのぐらい早く話せるようになるか、興味があります!)

それから、今年も日本語のレッスンをたくさん行い、生徒たちの日本語が上達するように私もがんばります。また、このブログを通して、日本語学習に役立つ情報を発信していくつもりです。

1月は始まりの月!今年は日本語の勉強をがんばるぞ!と決意した方々にレッスンのお知らせです。私を含めた日本語教師たちが教えます。

  • Regular Japanese lessons in Tokyo
  • Skype Japanese lessons
  • Visitor Japanese lessons in Tokyo
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  • JLPT course
*1時間のレッスンの基本料金は3800円です。それ以外の料金はお問い合わせください。
全てのレッスンはあなたからのリクエストをもとに教師が授業計画を立てます。あなたの日本語のレベルや習いたいことをメールに書いて送ってください。
メールアドレス: private.nihongo.lessons@gmail.com
詳しい情報はこちらのサイトをご覧ください。 http://privatejapaneselesson.com

2017年12月13日水曜日

ずつ is an expression of sharing.

Christmas is a time for sharing. ですから、12月の投稿では公平な共有 (fair share) について書こうと思います。不公平ではいけません:)
早速、例を見てみましょう。
ここにクリスマスのクッキーが15個あります。そして、Aさん、Bさん、Cさん、3人がいます。このクッキーを3人で公平に共有しましょう。
  • Aさん ○○○○○
  • Bさん ○○○○○
  • Cさん ○○○○○
1人5個ずつクッキーをもらいました。
これが「ずつ」の使い方です。みんなが同じ数をもらわないといけないのです。
では、もう一つ例を見てみましょう。
ここに15人の子どもがいます。みんなでグループを作って、ゲームをします。 グループの人数は同じ数じゃないと、ゲームが公平にできないので、公平に15人を分けましょう
  • Aグループ 
  • Bグループ 
  • Cグループ 
1グループ5人ずつでゲームをします。または、5人ずつのグループでゲームをする、と言うこともできます。
私はよく美術館に行きます。美術館では鑑賞者が部屋に入って、作品を見たり、体験したりできる場合があります。 小さい部屋だと、部屋に入れる人数が限られていることが多いです。例えば、「一回2人ずつ」など。それは次のようになります。
  • 前回 
  • 今回  
  • 次回  
これも毎回同じ人数が入って、公平に作品を楽しめるようになっています。
「ずつ」のコンセプトがわかりましたか?キーワードは「公平な共有」です!

それから、「ずつ」と似ている他の表現もありますね。例えば、「につき」 (per) と「」 (each) なら次のようになります。
クッキーの例:1人につき5個、(*「各人」はおかしいので、使いません。)
子どもの例:1グループにつき5人、グループ5人(ずつ
美術館の例:1回につき2人、回2人(ずつ) 
また、「少しずつ」という表現は「少し」という一定の量を繰り返すという意味になります。
毎日少しずつ漢字を勉強する。
今日少し勉強して、明日も少し勉強して、あさっても少し勉強して・・・と同じぐらいの勉強量を毎日続けているということですね。「共有」と言うと変ですが、意味の関連性は感じられます。

今年のブログは今日で終わりです。今年もたくさん読んで頂き、本当にありがとうございました!語学の勉強は継続です。「継続は力なり」です!来年も日本語についてもっともっと考えていこうと思っているので、みなさんが日本語の勉強や研究を楽しみながら、続けてくれると嬉しいです。

それでは、”共有の精神で”クリスマスを楽しんでください。そして、良い冬休みをお過ごしください!!



2017年11月18日土曜日

日本語と Google Translate

最近は Google Translate をはじめ、漢字や単語を読んでくれるものなど、言語の翻訳に便利なツールがあふれていますね。みなさんも好きなツールを使いながら、日本語を勉強したり、日本での生活に役立てたりしていると思います。
でも、みなさんもすでにご存知のとおり、日本語→(主に)英語の訳は必ずしもうまく行くとは限りませんね。私も生徒から翻訳ツールを使ったんだろうなと推測できる日本語の文章(ちょっと不自然)でメッセージをもらうことがあります。また、「教科書のこの文を翻訳ツールで訳そうとしたけど、うまくできなかった」と聞いたこともあります。以前に読んだ記事では、翻訳機能を開発している会社が「日本語は主語を省略するので、主語の無い文を訳すのは難しい」と言っていたことを覚えています。

そこで、今日は翻訳機能がうまく使えない日本語の文について検証してみます。
私の生徒が Google Translate がきちんと使えなかったと教えてくれたのは『みんなの日本語1』(*1)の21課でした。教科書の日本語の例文と Google Translate の英訳を以下に書きます。
  1. 私は課長に会社をやめると言いました。 I told the section chief to quit the company.
  2. 私は課長に車をもっていないと言いました。 I said that I didn't have a car in the section chief.
  3. 私は課長にもう資料をつくったと言いました。 I told the section chief that he made the material.
  4. 私は課長に休みがほしいと言いました。 I told the section chief that I want a break.
  5. 私は課長に釣りがすきだと言いました。 I told the section chief that he likes fishing.
この中で正しく翻訳されたのは4の文だけです!1と3と5の間違いの理由は承知のとおり、「は会社をやめる」「はもう資料をつくった」「は釣りが好きだ」の「」が省略されているからです。2の間違いは「課長」の「」が色々な意味になり得るからです。

確かに、「やめる」「つくった」「すきだ」の主語である「私」が省略されてしまうのは日本語の特徴で、翻訳の際に主語が推測しにくく、このような間違った訳は仕方ないでしょう。実際、 Google Translate も迷っているようです。「私」ではなく「わたし」と書くと正しい翻訳ができたり、似たような文で試すと時々正しい訳が出て来ることもあります:)いずれにしても、わかりにくいことは確かです。

では、もう少し複雑な文で試してみます。状況は下記の通りです。
Mary said, "I will wait." Tom was listening.
この状況を日本語で表そうとすると3つの方法があります。 方法の分類は direct speech (repeating the words spoken) と indirect speech (reporting the words spoken) です。

  1. メアリはトムに私は待つと言った。 (direct speech)
  2. メアリはトムに待つと言った。 (direct speech, 「私は」が省略)
  3. メアリはトムに彼女は待つと言った。 (indirect speech)

Google Translate で訳すと次のようになります。

  1. Mary told Tom I would wait. → 微妙ですが、"I" はMary ではない話し手の「私」になりそう。
  2. Mary told Tom to wait. → 完全に正しくない。
  3. Mary told Tom she would wait. → この状況を正しく表している。
1の日本語の文の「私」はだれを指しているのか、とてもわかりにくいですね。この文の中に人は二人いるのか、三人いるのか?でも、実際の会話で「メアリはトムに私は待つって言ったんだよー。」などと言うことはあるでしょう。「私は待つ」の部分が direct speech でメアリが言ったことです。

それから、2のような文は(『みんなの日本語』の1の文も同様)、 Google Translate が正しく訳せない文です。英語の訳に合わせるなら、日本語は次のようになります。
Mary told Tom to wait. → メアリはトムに待つように言った。 
I told the section chief to quit the company. → 私は課長に会社をやめるように言った。(私が社長じゃない限り、こんなことは有り得ないですね!)
結局、翻訳ツールにたよらず、皆さんが自分で日本語を訳したり、または日本語の文の意味を考えたりする必要がまだまだあるということです。その際に大切なことは「文脈から状況を想像すること」です!会話の流れ、もしくは前に書いてある内容から、この場面にはだれがいる?何人いる?だれがその行為をした?だれに対してその行為をした?などを判断する必要があります。それができないと、主語を省略する日本語の文の理解がとても難しくなります。一文だけを翻訳しようとすると、うまくいかないことがあるという訳です。それが現在の翻訳ツールが越えられない壁で、状況を把握した人にしか訳せない内容なのです。
その点に気を付けて、翻訳ツールを役立てるといいと思います。それでも、将来、優秀なAIは主語が省略された会話にもついていけるようになるのでしょうね!



*1『みんなの日本語 初級Ⅰ 第2版』、スリーエーネットワーク、2013年




2017年10月22日日曜日

I don't know. は「わからない」か「知らない」か?

English translation

今日は台風がせまっている日本です。台風が来る前から、一週間以上ずっと東京では雨が降っています。普通は雨の音が好きですが、毎日毎日聞いていると、この音も嫌になり、外へ出るたびに濡れるのにもうんざりしています。さわやかな秋晴れの空が恋しいです。

さて、多くの人は今回のテーマを見て、「やっと書くか!」と思っているかもしれません。日本語の勉強を始めてすぐ、「わかりません」="I don't understand." と習ったのに、「わかりません」は "I don't know." としても使われているんじゃないか?どっちが正しいの?みなさん、こう疑問に思ったことがあるはずです。説明が遅くなって、すみません。。。

まずは簡単な点から入りましょう。"understand" については、以下のように考えていいと思います。
I understand. =わかる。(理解している)
I don't understand. =わからない。(理解していない)
複雑なことは "I know." と "I don't know." に対して、「わかる」と「知っている」、「わからない」と「知らない」が使えることです。だから、どっちを使えばいいの?と迷ってしまうんですね。

まず、「知る」は情報を得るということで、「知っている」は情報を持っているという状態を指します。
"I know him." や "I know this restaurant." と言う場合、彼について、またはレストランについて情報があるという意味なので、日本語では次のようになります。
(私は)彼を知っている
(私は)このレストランを知っている
あるトピックについて聞いた/見た/読んだことがある場合は「知っている」を使えばいいと思います。「表面的な情報」があるということです。

一方、"I know what you mean." や "I know how you feel." と言う場合は、私も同じことを経験したから、あなたの気持ちが理解できるという意味が入っていますね。これは「表面的な情報」ではなく、「深さ」が感じられます。そんな場合は「わかる」を使うといいと思います。
(私はあなたの)言いたいことがわかる
(私はあなたの)気持ちがわかる
次の例を比べてみましょう。
① Do you know where he lives? → No, I don't know. 
② Do you know what you are doing? → Yes, I do.  
① 彼がどこに住んでいるか、知っている? → ううん、知らない
② 自分が何をしているか、わかっているの? → うん、わかっている
①には「表面的な情報の有無」だけ、②には「深さ」がありますよね?

では、「情報があるか、ないか」という視点を持って次の例を考えてみましょう。
③このニュースを知っている? → うん、知っている。(情報がある)/ううん、知らない。(情報がない
簡単ですね。
では、次の例はどうでしょうか。
④この辺に駅がありますか? → はい、あります。(駅が近くにあることを知っている)/いいえ、ありません。(駅が近くにないことを知っている)
答えが「はい」でも「いいえ」でも、駅の場所についての情報があるということになります。
そして、もう一つの答えの選択肢は「わかりません」。 これは "I don't understand your question." ではなくて、"I don't know if there is a station nearby." という意味です。それなら、情報がないのだから、「知りません」と答えた方がいいじゃないか?という疑問がわきます。
④この辺に駅がありますか? → さあ、知りませんね
この答えはまちがいではないと思います。ただ、日本人は普通「さあ、わかりませんね。」と言うでしょう。それはなぜか?「知りません」を使うと、「私はその情報がない」と冷たく答えている印象があります。これに対して、「わかりません」を使うと、「駅は近くにあるかもしれないけど、調べていないから、またはこの辺の地理に詳しくないから、答えられない・・・」などという意味が含まれていると思います。「知りません!」(I have no information!) という代わりに、「わかりません」と言って、やんわり「No」と言っているのでしょうか。「魚が好きですか?→魚はちょっと・・・」と言ったり、「明日飲みに行かない?→明日はちょっと難しいな・・・」と言ったりして、はっきり「No」と言わない表現と似ているのかもしれません。

もう一つの例で答えの印象の違いを見てみましょう。
⑤(あなたは)今週末、何をするの? → 知らない。(この質問に関心がない感じ
⑤(あなたは)今週末、何をするの? → わからない。(予定をまだ決めていないから、今は答えられない
最後に、「わからない」と「知らない」の使い分けの簡単なポイントを書きます。"I don't know." の答え方で迷ったら、聞かれた質問の形に注目してください。
  1. ~を知っている?」と聞かれたら(①)、「知らない」で答える。
  2. ~がわかる/わかっている?」と聞かれたら(②)、「わからない」で答える。
  3. "Do you know?" という部分がない質問を聞かれたら(③と④と⑤)、「わからない」で答える。
相手の質問をよく聞いて、それに合わせて答えることは、この場合に限らず大切なポイントです!

2017年9月22日金曜日

Japanese verbs 3 「行っている」の意味

毎年、今週は日本でシルバーウィークと言われている週で、休日が多いはずなんですが、今年は休日と明日の土曜日が重なったため、休みが減ってしまいました。残念!これ以上、国の休日を増やさなくてもいいから、休日が土曜日になった場合は金曜日を休みにする法律を作って欲しいです。国民みんながそう思っているでしょう!

さて、今日は「ている」に注目します。「ている」が表すことを大まかに3つに分けます。
  1. 今だけ続いている行動/今だけ続いている状態
  2. 長く続いている状態
  3. 習慣
例文は次のようになります。
  1. 私は今、本を読んでいる。/今、雨が降っている。
  2. 私は2年間日本に住んでいる。
  3. 私は毎日走っている。
私が "Japanese verbs 1 and 2" に書いたように、動詞の意味(行動?状態?変化?結果?)が正しく判断できれば、上の例はかんたんですね。
それで、今回は日本語特有のおもしろい「ている」の使い方を説明します。「行く、来る、帰る」の「ている」形です。
  • 行っている≠ I'm going.
  • 来ている≠ I'm coming.
  • 帰っている≠ I'm going back.
*主語は私、あなた、彼、彼女などだれでも同じです。
正しい使い方は次のとおりです。
A: Cさんはいつからハワイに行くの?
B: もう、行っているよ。2日前に行ったよ。
【解説】Cさんは2日前に飛行機に乗って、ハワイに着いた。今はハワイにいる。それで「行っている」は「行った/着いた後の状態」を表している。
A: Bさんの友だちはもう日本に来たの? 
B: うん、昨日から来ている
【解説】Bさんの友だちは昨日、日本に来た/着いた。今、日本にいる。「来ている」は「来た/着いた後の状態」を表している。 
一週間後
A: Cさんはまだハワイにいるの?
B: もう日本に帰っているよ。
【解説】Cさんはちょっと前に日本に帰って来た。 今、日本にいる。「帰っている」は「帰った後の状態」を表している。
つまり、3つ全部は「行った」「来た」「帰った」の後の状態を指しています。「行く、来る、帰る」は行動の動詞でも、自動詞なので、こういう意味になるのでしょう。 「疲れた」 (I got tired.) の後の状態が「疲れている」 (I'm tired/ I've been tired.) になる流れと同じです。「疲れた」という変化があったり、「行った」という行動が完了したりした後で、「ている」で表す状態になるのです。

そして、"in the process of going or coming" を日本語で表すには「向かう」を使うといいでしょう。
「Cさんは今、ハワイに向かっている。」と聞くと、今Cは日本の空港か、飛行機の中にいるかなと想像します。
でも、待って!「向かう」も目的語の「を」をとらないし、自動詞ですね。じゃあ、どうして「向かっている=in the process of going or coming 」になるのか?この疑問を持った人は語学のセンスが鋭いですね。
「行く」の意味は「目的地に着くこと」で、「家や空港を出ること」ではありません。
一方、「向かう」の意味は「目的地に向かって、出発すること」なので、家や空港を出た時には「目的地に向かった」とという行為が完了しています。その後、目的地まで続く行為が「向かっている」が指す部分です。そんなに長い状態ではないので、進行している行動と考えてもいいでしょう
なんだか、日本人の思考回路っておかしいですね。もっと単純に考えればいいのにと思ってしまいました。。。


2017年8月19日土曜日

Japanese verbs 2 自動詞と他動詞

みなさん、夏休みはどう過ごしていますか?東京の8月の天気は雨ばかりで、夜には秋の虫の声も聞こえるし、変な天気が続いています。
この夏、私は George Orwell の "1984" を少しずつ読んでいます。昨夜、この作品に出てくる言語「ニュースピーク」 (Newspeak) の定義の部分を読んで、「言語はそれを使う人の思想や文化を表しているものなんだ。そして、それは本当に大切な価値があるものなんだ」と改めて気が付きました。"1984" の世界のように、政府が言語をコントロールしていると、自由な思想や表現が世界から消えてしまうのですね。逆もあり得ます。自由な思想や表現に興味がない市民が増えれば、政府が言語を作り変えることも可能になりそうです。現実の世界のどこかでも、こんな現象が既に起きているのかもしれません。。。

さて、先月の投稿で「日本語の動詞のグループ分けは文法的な面①だけではなく、動詞の意味②からも考えるべきだ」と書きました。
①文法的なグループ分け: グループ1/U-verb、グループ2/Ru-verb、グループ3/irregular verb
②意味によるグループ分け: 行動 (action)、状態 (state) 、変化 (change)
今日のグループ分けも②に関係しています。日本語の動詞において、とても大切で、難しい点の一つでもある「自動詞」と「他動詞」の区別です。この二つの区別をきちんと理解して、動詞を覚えないと、正しい日本語を使うことができません。

大まかな区別は「他動詞=行動」、「自動詞=結果、状態、変化」ですね。
私はドア閉める(他動詞) I'm closing the door. ― ドア閉まる(自動詞) The door will be closing.
私は電気つける(他動詞) I'm switching on the light. ― 電気つく(自動詞) The light will be on. などなど
注意するべきことは「自動詞=自動的に、または自然に起こる」ことではないという点です。エレベーターや電車のドアは自動的に開いたり、閉まったりしますが、だからといって、「自動詞=自動的」ではないのです!人の行動ではないことがポイントです。
「電気をつける」というだれかの行動 → 「電気がつく」という結果 → 「電気がついている」という状態 
「パソコンが壊れる」という自然な変化 → 「パソコンが壊れている」という状態
しかし、自動詞の中には行動を表す動詞もいくつかあります!
行く、来る、帰る、入る、出る、歩く、起きる、寝る、などなど
どうして、「行く」や「来る」などは行動の動詞なのに、自動詞になるのでしょうか?それは、「行く」や「来る」が「目的語 (direct object)+を」と一緒に使われないからです。具体的な例を見てみましょう。
私はテレビ見る、私は本読む、私はドア閉める、私は電気つける
テレビ、本、ドア、電気は "What do you watch?", "What do you read?" の "What" の答えになる部分です。こういう部分を動詞の目的語と言います。多くの行動は目的語を必要としますが、そうではない場合もあります。
私は公園に行く、私は店に入る、私は6時に起きる
これらの文に「目的語 (direct object)+を」はありません。"What?" の質問と答えは無いというわけです。この場合、行動の動詞が自動詞になります

それで、他動詞と自動詞は2つの視点から区別します。
  1. 動詞の意味は行動?結果?変化?状態?
  2. 「目的語 (direct object)+を」と使うか、使わないか?
実際は2の視点からだけで判断できるのですが、やはり「ドアを閉める」と「ドアが閉まる」を比べる時には「これは人のアクションか、その結果か?」という視点は自然に現れるでしょうし、その点を理解しないと、正しい文を作ることができないでしょう。


"1984" の「ニュースピーク」 (Newspeak) のように、言語が簡素化されれば、自動詞や他動詞、漢字にも困ることはないでしょうが、日本語の複雑さは豊かで美しい表現方法だと思って、受け入れてください!!