先週末 山梨県のお寺で「座禅」に初挑戦しました。瑞岳院(ずいがくいん)という寺に行って、そこに泊って、二日間で5回、座禅をしました。瑞岳院は山の中にあって、和尚(おしょう)さんと、修行(しゅぎょう)中の男性、二人だけが住んでいます。先週末の来客は私と友人だけでしたので、とっても静かでした。水は隣を流れる川から引いて、電気はないので、夕方になると、寺の中は暗くなり、懐中電灯(かいちゅうでんとう)がないと、歩けません。私には初めての経験でした。
それに、私の大学はキリスト教系の学校でしたから、聖書を読んで、キリスト教について勉強しました。時々、礼拝にも参加しました。しかし、恥ずかしながら、仏教や禅については、私はな~んにも知りませんでした。仏教の教えが書かれている経典(きょうてん)を読むのも、もちろん初めてでした。
経典は全部、漢字で書かれています。送りがなは無い、漢字だけの文です。それらの漢字はほぼ全部見たことがあるものですが、現代の日本人にとって、発音のわからない字、意味のわからない字や単語はたくさんあります。そのため、実は、経典の漢文には全部ふりがなが書いてありますから、和尚さんと一緒に私たちもお経を読むことはできました。
一般的に、日本語は約2,000の常用漢字を知っていれば、漢字から意味がわかるので、(漢字の発音はわからなくても)新聞や本が読めると言われています。新聞や本の単語を全て知らなくても、漢字と漢字の組み合わせからできた単語の意味は推測できるという訳です。例えば、簡単な単語なら、仏教用語でもわかるかもしれません。次の単語がわかりますか?
① 無我:我を無くす(われを なくす)
② 成仏:仏に成る(ほとけに なる)
①の意味は「自分の中を深く見つめていくと、自分の存在を忘れてしまう」。読み方は「むが」。
②の意味は「ブッダになる」。つまり、「悟る(さとる)」。読み方は「じょうぶつ」。
ちなみに、英語やフランス語では1,000の単語を知っていると、書いてあるものの約80%は理解できるそうです。ところが、日本語では1,000の単語では60.5%しかわからない。でも、1,200~1,500の漢字を知っていれば、単語力がカバーできて、日常生活には困りません。(*1)
しかし、仏教用語は例外。普段の生活ではなじみのない物が多いので、漢字を知っていても、意味はとても難しい!ですから、私はお経を読んでも、意味は半分以上わかりませんでした。この感覚はまさに、外国人が意味をわからずに、ふりがなの付いた漢字を読んでいるのと同じ状態ですね。
それでも、神聖な場所でお経を読んだり、座禅をしたりすると、気持ちがおだやかになりました。東京での忙しさやストレスなどに紛らわされない静かな時間は、とても良いものでした。
もし、みなさんも興味がありましたら、このお寺に行ってみてはいかがですか?和尚さんは海外で宗教活動の経験があるので、外国人も行きやすいお寺だと思います。瑞岳院: http://www2.ocn.ne.jp/~seigen/index8.htm
*1)『日本語のカタチとココロ』、金田一秀穂、NHK出版