This blog explains Japanese grammar, expressions and words. I hope you will find it beneficial. 日本語上級者向けに日本語の文法や単語、一般的な質問について、私の経験を基に解説しています。ブログ上の日本語は通常、日本人が書いたり、読んだりするレベルと同じです。
2009年12月17日木曜日
日本語能力試験
2009年12月11日金曜日
「帰る」と「帰って来る」(国に帰って、クリスマス!)
帰る:話し手が属している場所(例えば、家、会社、国など)に戻る
ですから、次の例文は正しい使い方です。
- 今日は7時に家に帰る。
- お客さんの会社に行った後、会社に帰る。
- (日本に住んでいるアメリカ人が)クリスマスにアメリカに帰る。
でも、食事をしに行ったレストランは話し手が所属している場所ではないので、「お客さんがレストランに帰る」というのは変なのです。その場合は次のように言います。
この店の料理はおいしいから、また/もう一度 来たい。
また、日本に住んでいる外国人には自分の国はもちろん「帰る場所」ですが、今は日本に住んでいるので、日本も所属している場所と言えます。ですから、例えば、日本に住んでいるアメリカ人が休みの後で、アメリカから日本に来る場合は
- 一月に日本に帰る。
- 一月に日本に帰って来る。 *「~て来る」は「話し手が今いる場所に帰る」という意味
それから、「戻る」も「帰る」と同じ意味ですね。でも、「戻る」は「今いる場所に帰る」という意味が強い感じがします。だから、英語の"I will be back soon."は「すぐ戻るよ」の方が「すぐ帰るよ」より、合っていると思います。「すぐ戻って来るよ」「すぐ帰って来るよ」は同じ感じだと思います。
ご自分の国に帰る人も帰らない人も、楽しい12月を過ごしてくださいね。パーティーでは飲みすぎないように!
2009年11月7日土曜日
150年前に日本語を習う
彼は言語を学ぶことにおいて驚嘆(きょうたん)すべき才能を持っており、ごく短期間に大名(だいみょう)とも喋れ、町人とも喋れ、しかも候文(そうろうぶん)を読み書きできるという能力を身につけた。(*1)
「大名」とはある程度以上のさむらいのことで、「町人」とは商業をしている人たちのことです。さむらいと町人はちがう日本語を使っていたそうです。「候文」とは昔の敬語のようなものです。つまり、アーネスト・サトーは複数のタイプの日本語ができて、しかも現代以上に漢字の多い日本語を理解できたのですね。
以前、私はこのサトーさんをイギリス人と日本人のハーフだと思っていました。だから、彼は日本語がぺらぺらなんだと思っていたんです。でも、彼は100%のイギリス人、Ernest Satow だったんです!ちなみに、彼は語学能力だけでなく、外交能力も天才的で、江戸末期の大混乱の日本をよく観察し、当時の日本の政治に大きな影響を与えました。
外国語の勉強はいつの時代もおもしろくて、難しいと思います。でも、昔と比べると、現代はもっと多くの学習方法があって、恵まれていますよね。昔の人たちを見習って、私たちもがんばりましょうね。
*1 『世に棲む日日(三)』 司馬遼太郎、文芸春秋、2003年
2009年10月26日月曜日
眠い=疲れる??Sleepy = Tired??
「眠い」:寝たいと感じる状態。その理由は疲れているから、とか、夜遅いから、などがあります。
「疲れている」:体や頭を長い時間使って、体力や気力、エネルギーがなくなる状態。
sleepy: needing or ready to go to sleep
tired: feeling that one would like to sleep or rest
2009年9月30日水曜日
crowded=こんでいる? busy=こんでいる?
こんでいる:人、物などがその場所いっぱいに集まる。 例)電車がこんでいる。道路がこんでいる
crowded: having (too) many people, example) crowded buses, roads, hotels
次に、「いそがしい」と「busy」をくらべてみましょう。
いそがしい:することが多くて、ひまがない。 例)大売り出しの準備で忙しい。猫の手も借りたいほど忙しい
busy: 1) having much to do, working, occupied, example) Doctors are busy people. She is busy at her homework.
busy: 2) full of activity, example) a busy day, life. a busy office, street, town
「いそがしい」は「人」について、することが多いとか、ひまな時間がないとかを描写しています。したがって、"busy"1は、「忙しい」と訳せます。例えば、 医者は忙しい人たちです。 彼女は宿題で忙しい。
"busy"2は 「忙しい日」「忙しい生活」と訳すことができます。ある人はすることが多くて、ひまがないので、彼/彼女の一日は忙しくなる、または生活はいそがしくなるのでしょう。 そして、「忙しいオフィス」も大丈夫でしょう。そのオフィスで働く人たちは仕事が多くて、ひまがないので、オフィス全体が忙しくなります。
でも、「忙しい通り」「忙しい町」というのはちょっと変です。a busy street, townというのは「そこに人がたくさんいて、そこで色々なことが起きている」という意味なのでしょうね。でも、そこにいる人たちがすることが多いか、どうかはわかりませんね。ただ歩いているだけかもしれません。
だから、「そこに人がたくさんいること」を表すためには、「通りはこんでいる」「町はこんでいる」と言います。 例えば、あるレストランにたくさんのお客さんがいると、店員は仕事が多くて、たくさん働かなければならない。
この場合は、「このお店はこんでいる」「店員は忙しい」となります。「このお店は忙しい」と英語圏の人が言うのを何回も聞いたことがありますが、日本語ではこれは言いません。 基本的な単語ですけど、直訳ができないことがあるんですね。意味や使い方のちがいに気をつけないといけないですね。
2009年9月8日火曜日
「さがす」と「見つける」
フランス人の友人→店員:紙ナプキンはありますか?(もちろん、フランス語で)
店員:○□△×☆♡????chercher.*私がわかったのは最後の単語、chercherだけでした。chercherは日本語で「さがす」。
私→友人:店員はナプキンをさがすだけ?見つけて、持って来てくれないの?
友人→私:ちがうよ、この場合、chercherは見つけるの意味も含んでいる。
- さがす: 必要なものや、失くしたものを見つけようとする
- 見つける: さがしていたものを発見する
- look for: search for, try to find somebody/something
- find: discover somebody/something unexpectedly, discover somebody/something by searching
こうしてみると、「さがすとlook for」、「見つけるとfind」の意味は同じようです。でも、実際にはlook forとchercherには「さがして、見つける」という「過程と結果」両方が含まれているのではないでしょうか?これに対して、日本語では「さがす」と「見つける」は別々のものだと私は認識しています。
「さがす→ ものがある→ 見つける」 この3つの別々のステップが、英語やフランス語よりはっきりしてると思います。だから、「さがすと見つける」はかならずしも直結しないのです。
①
山田:田中さん、ゆびわを失くしちゃったの?ちゃんと さがした?
田中:さがしたよ。
会話①には「田中さんがゆびわを見つけた」という意味は含まれていません。「さがす」という過程だけを見ています。
②
山田:田中さん、ゆびわを失くしちゃったの?(ゆびわは)見つかった?
田中:うん、(ゆびわを)見つけたよ。よくさがしたら、バッグの中にあった。
会話②からは「田中さんがゆびわをさがした後、それを見つけた」ことがわかります。「見つけた」という結果が話されています。
③ この英文を日本語に訳してみてください。I hope you will find a good job.
私の経験上、多くの外国人は次のように訳します: 良い仕事をさがすといいね。
でも、この日本語文はおかしいのです。「仕事をさがす」という過程、例えば履歴書を書いたり、求人情報を読んだりすることは話し手の希望ではなくて、話し手の希望は「良い仕事を手にする」という結果なのです。だから、ここでは自動詞の「見つかる」を使って、次のように言います。「見つかる」の方が「見つける」より自然です。
(あなたに)良い仕事が見つかるといいね。以上が「さがす、見つける」そして、"look for/chercher, find"に関する私の意見です。私の経験から考えたことなので、もしかしたら正しくないかもしれません。③の英文を外国人が日本語にする時も、「見つける」を知らなくて、似ている単語「さがす」を使うことが、たまたま多かっただけかもしれません。みなさんはどう思いますか?意見を聞かせてください。
2009年8月10日月曜日
「遠慮」って何?
先週の神宮スタジアムの花火大会は妹のアパートから見えるので、花火パーティーに招待されましたが、疲れていたので、遠慮しました。
この「遠慮」の意味は何でしょうか?皆さんはわかりますか?今回は「遠慮」が含むニュアンスを見てみましょう。
上の文で「遠慮しました」というのは、つまり、「私は花火パーティーの招待を断った」という意味です。『大辞林』の辞書によると、「事情や状況を考慮して、やめること、辞退すること」という定義(1)があります。「その時の私の事情、疲れていたとか、夜遅くなってしまう、ということを考えて、行くことをやめた」という訳です。
電車やバス内には「携帯電話の使用をご遠慮ください」という注意書きがありますね。これは、「まわりの人への迷惑を考えて、携帯を使うことをやめてください」ということです。公共の場所での「たばこを遠慮してください」などというのも同じ意味です。
また、「他人に対して、言動をひかえめにすること」という定義(2)もあります。例えば、初めて友だちや恋人の家に行って、その親に会った場合、だれでも(少しは)緊張しますよね?そんな時、食べ物や飲み物を出されても、おいしからといって、どんどん食べないですよね?相手の様子を見たり、食べてもいいかなあ?と考えたりしながら、少しずついただきますね?そんな気持ちが「遠慮」です。
あなたがそんな気持ちになると、友だち/恋人のお母さんは「遠慮しないで、食べてね」と言うでしょう。「ひかえめにならないでくださいね」という意味です。そしたら、あなたは「遠慮なく、いただきます」と言ったらいいですね。
(1)と(2)の定義を合わせると、「遠慮してください」と言う場合には、「やめてください」という強い言い方ではなくて、「まわりの状況や人の気持ちを考えて、遠慮する気持ちを持ってください」というソフトな言い方になっていると思います。意味は「禁止」なのですが、日本人らしく遠まわしに注意しているのでしょう。
そして、他の人からの招待や申し出を断る時に使う「遠慮させてください」という表現も、(1)と(2)を合わせると、「行けません」とか「できません」とはっきり言うのではなくて、「断わるのは申し訳ありません」という気持ちを含むことができます。
では、最後におもしろい表現を紹介しましょう。―「遠慮のかたまり」
聞いたことがありますか?例えば、友だちと鶏のからあげをシェアして、食べている時、からあげが一つだけお皿の上に残ったことはありませんか?こんな場合に、最後の一つを食べようか、どうしようか、考えたことがありませんか?「おいしいから、もう一つ食べたいけど、最後の一つだから、私が食べてしまったら、友だちに悪いかな?友だちも最後の一つを食べたいかな?だから、食べるのをやめよう。」こういう気持ちがあって、一つだけ残っている物が「遠慮のかたまり」なのです。
こうやって見てみると、「遠慮」の使い方には日本人的な心情がよく表れていると思います。ただ、この「遠慮」の気持ちは万国共通ですよね?あなたの国の言語では「遠慮」をどのように表現しますか?
2009年7月19日日曜日
2009年 夏
- まわりくどい文章: 私と同じ親から生まれた年下の女性が 同じ母親から同時に生まれた二人の子を 連れて来ました。
- 簡単な文章: 私の妹が 双子を 連れて来ました。
では、これはどうですか?私が作った文です。
- この夏、エンジンを使って空を飛ぶ乗り物で 自分の国ではない他の国へ 見物や保養をしに行ってきます。
- 夏の夜、木綿で作った着物を着て、火薬を固めた物に火をつけて、破裂させ、音や光を楽しむものを見に行きます。
- 6月頃に降り続く長雨が終わってから 8月8日頃までに 友人や知り合いに手紙を出して、元気がどうかたずねます。これは日本では 昔から行われていて、そうすることが決まりの様になっていることの一つです。
みなさんも夏に色々な予定があると思います。どうぞ楽しんでくださいね。でも、海や山での事故も多いですから、くれぐれも気をつけて!
2009年6月18日木曜日
雨の言葉と水の使い方
The kettle was not quite boiling when Miss Somers poured the water on to the tea, ........ Miss Griffith, the efficient head typist, ......said sharply : "Water not boiling again, Somers!"
Agatha Christie, "A Pocket Full of Rye"
それでは、次に下の例文を見てください。どれが正しいでしょうか?
- 水を 冷やす。(ひやす)
- 水を 冷ます。(さます)
- お湯を 冷やす。
- お湯を 冷ます。
正しい答えは1と4です。「冷やす」とは「冷たい物をもっと冷たくすること」で、「冷ます」とは「冷たくないものを冷たくすること」です。例えば、
- このビールはあまり冷たくないから、もっと冷やそう。
- このお茶は熱くて、飲めないから、ちょっと冷まそう。
また、「冷やす(ひやす)」と「冷ます(さます)」は他動詞ですが、「冷える(ひえる)」と「冷める(さめる)」は自動詞です。
最後に、雨の話に戻ると、日本の歌には「雨の歌」が多いそうです。雨が恋に泣く人の涙と結びつくのでしょう。そして、その背景に日本的なものがあるという説明を読みました。(*2)
日本でお米を作る過程の田植えは長雨の時に行われる。昔の日本人は田の神様を迎えるこの時期に、恋愛生活を中止する習慣があった。恋人たちは会いたくても会えない時期を雨と共に過ごしたので、その記憶が日本人の心に残って、「雨」と聞くと、せつない気持ちになるのだろう、という訳です。
興味深いですね。日本の歌を聞く方は、そんな日本人の心理状況を想像しながら、今度聞いてみてください。
*1) 『ことばと文化』、鈴木孝夫、岩波新書、1973年
*2) 『天声人語 自然編』、辰濃和男、朝日新聞社、1988年
2009年6月9日火曜日
"win"の使い方
The Japan team won that match. 日本チームが あの試合に 勝ちました。
The Japan team won against the Uzbekistan team. (Japan beat Uzbekistan.) 日本チームは ウズベキスタンチームに 勝ちました。
The Uzbekistan team lost to the Japan team. ウズベキスタンチームは 日本チームに 負けました。
Japan will win the world cup. 日本は ワールドカップで 優勝するでしょう。 *「勝つ」を使いません。また、「優勝する」とは「一位になる」ことです。 (もちろん、日本がワールドカップで優勝するのは無理ですよ。)
Japan will win second prize. 日本は 二等賞を とるかもしれません。(二位に なる)
また、5月末に私は初めて競馬に行きました。思ったよりずっと、競馬は楽しかったです。競馬の後で、たくさんの人に次の質問をされました。
Did you win? (競馬で)勝ちましたか?
My friend won about 20,000 yen at his first race. 友だちは 最初のレースで 20,000円ぐらい もうけました。
I lost 5,000 yen. 私は 5,000円 損をしました。
スポーツの試合に勝つためには、努力が必要です。競馬では実際に競争するのは馬ですが、馬券を買う人たちも馬の情報を集めたり、研究したりなど、少し努力が必要ですね。努力した後の結果にはゲームに「勝つ」(beat) や「負ける」(be defeated) というコンセプトが生まれるのでしょう。
でも、ただ運まかせの宝くじや、くじ引きなどでは「偶然に/幸運に何かがもらえる」という感じで、「勝つ」 「負ける」は使われません。
I hope I will win the lottery. 宝くじに 当たると いいな。 *「~に当たる」は自動詞
Someone won 10,000,000 yen in the lottery. だれかが 宝くじで 1千万円を 当てた。 *「~を当てる」は他動詞
このように見てみると、「勝つ」と「win」はいつも直訳できる訳ではないと分かりますね。そして、"win"が 便利な動詞だとよくわかりますね。
2009年5月8日金曜日
漢字解説 - 間
八重葎 茂れる宿は 人もなし まばらに月の 影ぞすみける
(やえむぐら しげれるやどは ひともなし まばらにつきの かげぞすみける)
簡単に説明すると、「草が茂って、荒れた家には人がいない。すき間のある屋根からもれる 月の光が澄んでいるだけだ」という さびしい情景をうたっています。(*1)
「すき間」という単語の「間」が今日のテーマです。「間」の意味は「物と物、人と人、所と所などにはさまれた部分」、または、「ある時から別の時までの長さ」、「二つのものの関係」などですね。
漢字「間」を分解すると、「門」+「日」になりますが、新選漢和辞典(*2)によると、元は「門」+「月」で、「門のあいだから月光がさしてくること」を意味していたそうです。上の短歌の情景と似ていませんか?
次に、「間」の発音を見てみましょう。音読みは「カン、ケン」で、訓読みは「あいだ、ま」です。
カン:時間、空間、期間、中間、週間 など
ケン:眉間(ミケン)、世間(セケン)
ゲン:人間 (多分、これだけ)
ま:居間、昼間、客間、晴間、手間 など
発音が多いですが、発音の基本的な規則性は「もう一つの漢字との組み合わせ」から見えてきます。「音読み+音読み」、「訓読み+訓読み」です。
「間」の場合は、「他の漢字の音読み+カン」と、「他の漢字の訓読み+ま」が基本のルールです。例えば、まの例の「昼間」は訓読み+訓読みの「ひる+ま」で、意味は文字通り「ひるのあいだ」です。これに対して、「夜間」というのは「よるのあいだ」という意味ですが、発音は音読み+音読みの「ヤ+カン」です。つまり、発音は漢字の意味によるという訳ではありません。
そして、カンが少し変化したものが、ケンやゲンです。でも、「音読み+音読み」の規則にはしたがっています。
もちろん、基本的ルールの例外もあります。まの例の「客間」(お客さん用の部屋)は「客」の音読み「キャク」+「ま」になっています。ただし、「客」には音読みしかありませんし、「間」が「部屋」の意味の場合は「ま」と発音するので、「音読み+訓読み」の組み合わせになったのでしょう。「部屋」を意味する「間」の他の例は、居間、日本間、洋間などがあります。例外はかなり複雑ですね。
「漢字はおもしろい」という外国人の声をよく聞きますが、それぞれの漢字の音読み・訓読みを覚えるのはとても大変なことです。気を長く持って、がんばってくださいね。
ところで、今日は良いニュースがありましたよ。みなさんの日本語の勉強のはげみになるニュースです。日本に10年間住んでいるイラン人女性が日本語で小説を書き、文学界新人賞をとりました。すごいですね。
(*1)『花にもの思う春』、白州正子、平凡社、1997年
(*2)「新選漢和辞典-第七版』、小林信明編、小学館、2003年
2009年4月20日月曜日
高知旅行
たっすいがはいかん。(全部ひらがなで書いてある)
この意味は何でしょう??旅行に一緒に行った妹と私が分かるのは、「いかん」が「いけない」ということだけ。私たちの会話は以下のようでした。
飲みすぎたらいけないよ、かな?
真ん中の「は」は ha かな?wa かな?
「すい」の漢字は「酔」(よう- get drunk)かな?
どれが一つの単語だろう?たっす?たっすい?たっすいが?
結局、高知の人に聞きそびれてしまい、意味を発見できないまま、東京に帰って来ました。家でインターネットで調べたところ、「たっすい」は「ひ弱な、頼りがいがない」という意味があるそう。なので、「たっすいビール」とは「味のうすいビール」で、「そんなビールを飲んではだめ、KIRINのキレのある、パンチのあるビールをごくごく飲もう!」という広告文だそうです。ちなみに、この広告のおかげか、KIRINビールの売り上げ高は高知県が日本一です.
もう一つ、気が付いたカワイイ方言がありました。あるお店の植物にはってあった紙に書いてありました。
花に水をあげなでね。
これは、すぐに意味がわかりますね。「花に水をあげないでくださいね」と同じです。教科書で習う「ない形+でください」はここでは使われません。 ということは、教科書の文法は方言では通用しないことが多いのです。地方に住んで、日本語を話している外国人は東京の外国人よりきびしい環境で日本語を勉強しているのですね。感心しますよ。
2009年3月31日火曜日
「花が散る」「花は落ちない。花は降らない。」(桜の季節に)
暖かくて、晴れの日は花見日和(はなみびより)です。朝から場所取りをしましょう。そうしないと、桜が見えない場所やごみ箱のそばでお花見をすることになってしまいます。そして、夜の桜、夜桜(よざくら)を見ながら、花見酒(はなみざけ)を飲む。これが一般的なお花見です。
2009年3月15日日曜日
「かける」の使い方
- 友だちに電話をかける (call)
- 絵を壁にかける (hang)
- ドアのかぎをかける (lock)
- お金をかけて、ゲームをした (bet)
- とうふにしょうゆをかける (pour)
- 家までかけて、帰った (run)
- 2 かける 3は 6 (multiply) などなど・・・
でも、今日は一つの意味だけに注目しましょう。まず、次の文を比べてみてください。
- 私は 旅行のことを 友だちに 話した。
- 私は 旅行のことを 友だちと 話した。
何か、違いを感じますか?1の「に」は動作の方向性を表しているので、「私→友だち」、一方通行に話している絵が見えます。2の「と」は対等の立場を表しているので、「私→友だち」と「友だち→私」お互いに話している絵が見えます。 ある本(*1)に良い例があげられています。
- 僕は 彼女に キスをした。
- 僕は 彼女と キスをした。
1は「僕が彼女に近づいていく様子」、2は「二人がお互いに近づいていく様子」が目にうかびます。 「電話をかける」の「かける」には、この「に」と同じ役割があると思います。「相手に向かって、なにかをする」 次の例も同じ意味ですね。「私→彼」の絵が見えますか?
- 私は 彼に 声を かけた。
- 私は 彼に めいわくを かけてしまった。
- 私は 彼に 大きな期待を かけた。
それから、「動詞+かける」の例には「話しかける」や「笑いかける」などがあります。これらも「ある人から相手に向かう動作の方向性」が表わされています。しかし、どの動詞にでも使える訳ではなくて、使える動詞は限られています。例えば
- 通りで友だちを見たので、私は 彼女に 呼びかけた。
- 私が 彼に 問いかけると、彼は 答えてくれた。
- 私は みんなに 真剣に 語りかけた。
- 犬が逃げてしまったので、私は 犬を 追いかけた。
- 私は 友だちに 相談を 持ちかけた。
- この会社の協力を得るために、私は 彼らに 働きかけている。
さらに、「私は友だちに話した」と「私は友だちに話しかけた」の違いは、「話しかける」は「相手の名前を呼んで、会話をスタートさせる最初の行為」です。例えば、「山田さん、元気?」と言って、話し始めることは「話しかける」です。その後、何かについて友だちに話す、または話しつづける。
また、「話しかけて来る」なら、「他の人の行為が私に向って来ること」を表しているから、「他の人→私」の絵になります。
- 急に 彼は 私に 話しかけて来た。
- 急に 私は 彼に 話しかけられた。(受け身形)
上の二つの文は同じ状況を表しています。あ~、どんどん複雑になりますが、とにかく「かける」の方向性、つまり、矢印(→)の向きがわかれば、良いのではないでしょうか?まだ、質問があれば、ぜひ聞かせてください。
(*1)『問題な日本語』、北原保雄編、大修館書店、2004
2009年2月23日月曜日
日本の子どもと漢字
恥ずかしい
そして、映画の話の流れも考えると、これは「はずかしい」だ!とわかるという訳です。
また、私の母も面白いことを話していました。私が小学校1年生(7才)のころの事です。私の名前は「おかもと」です。近所には「おかだ」と「おかべ」という家族がいました。それぞれの家の前には表札があります。
岡本、 岡田、 岡部
この漢字の中で、「本」と「田」は学校ですぐに習う漢字ですから、一年生でも読めますね。そして、私はそれぞれの家族の名前は聞いて、知っていますから、最初の漢字「岡」が「おか」と読むことに気がついて、それを母に指摘したそうです。
こうやって、子どもたちは教科書やドリルで漢字を習う前に、自分たちで規則性を見つけたり、会話能力から読むこともできるようになったりするんですね。
ところで、最後に漢字に関するクイズを出しましょう。
- アメリカ人のトムが東京で旅行中に迷ってしまいました。 トムは漢字が読めません。トムは日本人の山田さんに電話をして、今どこにいるか、説明しています。 「スリー ボックス スリー ラインと 書いてある駅にいます。 迎えに来てもらえますか?」 山田さんはどこの駅に迎えにいけばいいでしょうか? (東京の地図がわかる人にとっては、簡単ですね!)
- 次の漢字を組み合わせて,2つの漢字の単語を完成させてください。(例えば、口+十=田)
十 + 月 + 十 + 日 + 十 + 日
答えがわかったら、教えてくださいね!
2009年2月7日土曜日
日本語の"I" 「わたし」と「ぼく」
2009年1月20日火曜日
「込む」の使い方
彼はプールに飛び込んだ。(プールの中深くに 飛んで、入る。)
嫌いな食べ物をかまないで、飲み込んだ。(食べ物をのどの奥深くに入れて、腹の中まで送り込む。)
雪が部屋の中に吹き込む。
電車に乗り込む。
どろぼうは裏口から入り込んだ。
でも、「煮込む」は野菜や肉をスープの中に入れることを表しているわけではありません。この「込む」は「最初の動詞の行動を時間をかけて、ゆっくり行う」ことを表しています。つまり、「煮込む」は「材料をスープの中で2~3時間煮る」ということです。
(グループ2)
久しぶりに友だちと会って、話し込んだ。(時間がたつのを忘れて、話に夢中になる。)
この問題について、考え込んでしまった。(長い時間、真剣に考える。)
知らない内にソファでぐっすり寝込んだ。 (深く、よく眠る。)
次にグループ3は「同じ状態をそのまま続ける」ことを表しています。例えば、
私は疲れて、駅で座り込んだ。(その場に座ったまま、動かない。)
彼は怒ると、いつも黙り込む。(何も言わないままでいる。)
かぜで一週間、寝込んだ。(病気の状態が続いて、寝たままでいる。)
3つのパターンがわかったでしょうか?まとめると、
- 中に入れる/入る、だれが見てもこの様子はわかる。
- 時間をかけて、ゆっくり行う、話し手の主観的な気持ちが表わされる。
- 同じ状態を続ける、だれが見てもこの様子はわかる。
最後に、駅と電車でよくある注意を紹介します。どういう状態かわかりますか?
駅のアナウンス: 危ないので、かけ込み乗車は おやめください。
電車のドアの注意書き: 戸ぶくろに 手を引き込まれないように 気をつけてください。
2009年1月4日日曜日
よろしくお願いします。(Happy new year!)
1)はじめまして。山田と申します。よろしくお願いします。
2)明日までに 返事をください。よろしくお願いします。
3)しばらく、こちらで道路工事を行います。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
直訳できない "It's a beautiful day!"
明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!! と言いながら、最近はブログの更新をなまけています。読んでくださる方、ありがとう。 2023年は世界に平和が訪れることを心から願います。歴史を振り返ると、人間は戦争を繰り返していますね。今までの人類の半分は戦争で死ん...
-
*English translation 暦(こよみ)の上では もう春ですが、2月はまだまだ寒いですね。東京も毎日空気が冷たいです。ちなみに、「 暦(こよみ)の上では 」というのは「カレンダーでは」という意味で、天気のことを話す際に、よく使われます。 前に「そう、らしい、...
-
寒い日が続きますね。他の場所に比べれば、東京は暖かいと思いますが、それでも、寒い!冬になると、読みたくなる本があります。それは村上春樹(むらかみ はるき)の『羊をめぐる冒険』(A wild sheep chase) 。どんどん寒くなって、北海道に雪がもうすぐつもり始めるという季節...