2009年1月20日火曜日

「込む」の使い方

寒い季節に食べたいものはやっぱり「煮込み料理」!「煮込み料理」とは野菜や肉をたっぷりの煮汁の中で、時間をかけて、煮た料理」のことです。 日本料理なら、鍋をはじめ、煮込みうどん、豚の角煮などなど、色々なものがありますね。鍋の中にも種類は多くて、和風だしの鍋、とうがらしを入れた韓国風鍋、豆乳鍋などをこの冬、食べています。また、フランス語の先生のお宅ではフランスの煮込み料理、ビーフ・ブルギニオン(beef bourguignon)をいただきました。 

 今日はこの「煮込む」の「込む」という動詞について考えてみましょう。これは「煮る」+「込む」の二つの動詞が組み合わさっています。「込む」は漢字に「入」が含まれているように、「中に入る/入れる」の意味があります。

次の例を見てみましょう。
 (グループ1)
  彼はプールに飛び込んだ(プールの中深くに 飛んで、入る。) 
嫌いな食べ物をかまないで、飲み込んだ(食べ物をのどの奥深くに入れて、腹の中まで送り込む。) 
雪が部屋の中に吹き込む。 
電車に乗り込む。 
どろぼうは裏口から入り込んだ 

でも、「煮込む」は野菜や肉をスープの中に入れることを表しているわけではありません。この「込む」は「最初の動詞の行動を時間をかけて、ゆっくり行う」ことを表しています。つまり、「煮込む」は「材料をスープの中で2~3時間煮る」ということです。

(グループ2)

久しぶりに友だちと会って、話し込んだ(時間がたつのを忘れて、話に夢中になる。) 
この問題について、考え込んでしまった。(長い時間、真剣に考える。)

知らない内にソファでぐっすり寝込んだ (深く、よく眠る。) 

 次にグループ3は「同じ状態をそのまま続ける」ことを表しています。例えば、

私は疲れて、駅で座り込んだ(その場に座ったまま、動かない。) 
彼は怒ると、いつも黙り込む(何も言わないままでいる。) 
かぜで一週間、寝込んだ(病気の状態が続いて、寝たままでいる。)

 3つのパターンがわかったでしょうか?まとめると、

  1. 中に入れる/入る、だれが見てもこの様子はわかる。
  2. 時間をかけて、ゆっくり行う、話し手の主観的な気持ちが表わされる。
  3. 同じ状態を続ける、だれが見てもこの様子はわかる。

最後に、駅と電車でよくある注意を紹介します。どういう状態かわかりますか?

駅のアナウンス: 危ないので、かけ込み乗車は おやめください。

電車のドアの注意書き: 戸ぶくろに 手を引き込まれないように 気をつけてください。

 

2009年1月4日日曜日

よろしくお願いします。(Happy new year!)

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 

良いお正月でしたか?私の年末~お正月は家族と友達とたくさん食べて、たくさん飲んで、楽しく過ごしました。
「よろしくお願いします」、この意味は何ですか?とよく聞かれます。日本では本当によく使われる表現ですが、意外と意味や使い方を知っているようで、知らない。
1)はじめまして。山田と申します。よろしくお願いします。 
 よくある自己紹介のあいさつです。この場合は、「これからあなたに手伝ってもらったり、お世話になったりするだろうから、今 前もって、あなたの好意に感謝しておきます。」ということ。 「あけましておめでとう、今年もよろしく」も同じ意味ですね。 
 2)明日までに 返事をください。よろしくお願いします。 
 友達や仕事の人などにあるリクエストをする場合も、「私はあなたにお願いをするので、今 ここで、あなたの好意に感謝しておきます。」ということです。
3)しばらく、こちらで道路工事を行います。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。 
謝らなくてはいけない場合は、「あなたの理解と協力に感謝します。」という意味です。 全ての場合で、「よろしくお願いします」を通して、相手の手助けや協力に対して感謝しながら、それだけではなくて、「相手の好意を引き出そう、そして、手伝ってもらおう、協力してもらおう」という意図も含まれていると思います。こんなことを全部口に出さなくても、「よろしくお願いします」のひと言で済むのですから、便利な表現ですね。 

 ただ、「よろしくお願いします」は未来の好意に対して、使うだけで、過去に行われた好意には使いません。過去の場合は、「ありがとうございました」でいいですね。 では、最後に、今年も日本語の学習や研究をがんばりましょうね。質問やコメントがあれば、ドシドシ送ってください。このブログを通して、色々な方たちと知り合えるのが楽しみです。2009年もよろしくお願いします!!

直訳できない "It's a beautiful day!"

 明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!! と言いながら、最近はブログの更新をなまけています。読んでくださる方、ありがとう。 2023年は世界に平和が訪れることを心から願います。歴史を振り返ると、人間は戦争を繰り返していますね。今までの人類の半分は戦争で死ん...