2012年10月19日金曜日

甘味、酸味、塩味、苦み、旨み+渋み

*English translation

前回の料理の動詞に続いて、今日は味の言葉について書きます。人間の味覚には基本の5つの味があります。「甘味、酸味、塩味、苦み、そして旨味」です。さらに、味を表すのによく使う形容詞には「辛い、おいしい、まずい、渋い」もあります。 それぞれの国で色々な料理が食べられていますが、これらの味覚は人類共通のものなので、説明は要らないと思いますが、「旨味と渋み」について簡単に説明しておきますね。

なぜなら、「旨味」は日本人が日本料理の中に発見した味だからです。1908年に日本人化学者がこんぶの中に旨味成分を発見し、その後、かつおぶしやしいたけからも発見されました。こんぶ、かつおぶし、しいたけを使っただしにその味を感じることができます。

また、「渋み」は日本独自の単語だそうです。渋い食べ物/飲み物と言えば、濃すぎるお茶やフルボディの赤ワインのタンニンの味。それに、日本には渋柿もあります。甘くない柿を食べた時、「わっ、無理。食べられない。」というひどい味があります。それが渋みですが、食べたことがないとわからないと思うので、機会があれば、試してみてください。(本当においしくないけど・・・) これらの味覚の言葉は「~味」の「み」を「い」に変えると、形容詞に活用することができます。そして、それらの形容詞の単語には味を表す以外の意味もあります。今日はそれを紹介します。

甘い(あまい)
これについては以前に書いたので、その投稿をご覧ください。

旨い(うまい)
「旨味」が形容詞の「うまい」になると、意味は「おいしい」と同じになります。男性なら「おいしい」の代わりに使うことができます。

他の意味A:上手な
例:彼は歌がうまい
他の意味B:都合がいい
例:最近、仕事がうまく行っている。
おいしい
他の意味:「旨い」のBと同じだが、特に利益になるという意味が強い。
例:その投資の件はおいしい話だ。

まずい
「うまい/おいしい」の反対の言葉
他の意味:不都合な
例:その話は他人に聞かれると、まずい

苦い(にがい)
他の意味:苦しい(くるしい)、つらい
例:あの失敗は苦い経験だった。
辛い(からい)
他の意味:きびしい
例:あの先生はきびしくて、生徒への評価も辛い
すっぱい
基本的には味を表すだけだが、下記の表現がある。
例:口をすっぱくして言う。→ 私はあんなに口をすっぱくして言ったのに、あなたはわかってくれなかった。
意味:何度も何度も同じことを忠告する。

渋い(しぶい)
他の意味A:先ほども書きましたが、「渋い」は日本独特の単語で、日本人の美意識を表す単語でもあります。明るい美しさではなく、落ち着いている雰囲気を美しいと思う感覚です。光ではなく影をきれいだと感じたり、若さではなく年配の大人らしさを素敵だと感じたりすることです。
例:この部屋のインテリアはグレーやベージュが多くて、渋い雰囲気だ。

他の意味B:ふゆかい。これは渋い味の物を食べた時に、不快な感じがすることと関係しているのでしょう。
例:彼は彼の友人の悪いうわさを聞いて、渋い顔をした。

今では各国の料理、特にアジア料理には旨味が入っていることが認識されています。だからこそ、日本料理で一番大切なだしの中においしさのポイントが凝縮されていることを日本人が経験的に知っていて、その上で旨味を発見したという事実は料理好きの私にとってはとても誇らしいことです。

また、「渋い」ものを美しいと思う感覚は日本の「わび・さび」の文化によく表されています。また、日本人作家、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』(いんえいらいさん)(Junichiro Tanizaki, “In praise of shadows”) の中でも興味深い分析がされているので、日本人的感覚を理解するのにおすすめの一冊です。

直訳できない "It's a beautiful day!"

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