2013年9月7日土曜日

someone =だれか? something =なにか?

*English translation

みなさんは「伊勢神宮」(いせじんぐう)と「出雲大社」(いずもたいしゃ)を知っていますか?または、訪れたことがありますか?この二つは日本の二大神社で、なんと2013年は両方の神社で「神様のお引っ越し」があるんです。これは「式年遷宮」(しきねんせんぐう)と呼ばれ、伊勢では20年に1回、出雲では60年に1回行われます。
もっと詳しく言うと、伊勢では現在の神社のとなりに次の神社をそっくりそのまま造り、出雲では現在の建物を修理しながら新しくして、それから神様を引っ越しさせます。今年は20年と60年が重なったので、日本ではビッグイベントになっています。

さて、長い歴史を持つ神社の話は長くなるので、ここで一旦止めて、今日は「だれか、なにか」について考えてみます。「だれか=someone、なにか= something 」と訳すのが一般的ですが、これも単純に訳せない単語のようです。
英語ではよく次のように言いますよね。
I am busy tonight. I am going to meet someone.
これを日本語でどう言いますか?
今夜は忙しい。だれかと会うから。
う~ん、この訳は変です。日本人は次のように言うでしょう。
 今夜は忙しい。人と会うから。
だれか」という単語が「だれです」という質問からできていることから、「だれか」は「その人がだれだかわからない」という意味を含んでいます。その人を特定できないということ。
つまり、「だれかと会う」というのは「知らない人と会う」ということです。約束があるのに、だれだかわからない人に会うというのはおかしいですね。たとえ、ブラインドデートのように初めて会う相手でも、約束をしたからにはその人の情報があって、ある程度特定できています。

その代わりに、「人と会う」と言う場合は、話し手はその人を知っているが、聞き手がその人を知らないので、その名前や情報に言及していないだけです。もちろん、「友だちと会う、妹と会う、紹介してもらった人と会う」など具体的に言うことも可能です。

では、「だれか」を使う例文です。
  1. だれかが私の財布を拾ってくれた。
  2. (道に迷った時) だれかに道を聞こう。
二つとも相手の名前など情報がない場合ですよね。全く知らない人なのです。

次に、「なにか」と "something" も同じように考えてみましょう。例えば、ホームパーティーに招待された時に、ホストにこう聞きますね。
Should I bring you something?      なにか持って行きましょうか?
この場合は「を持って行く」まだわからないので、 その物を特定できないため、「なにか」を使います

では、旅行で買って来たおみやげを友だちにあげる場合はどう言いますか?
英語では "I brought you something." と言ったりしますよね?でも、ここで "something" を「なにか」と訳すことはできません。おみやげを買った人はそのおみやげの中身を知っているからです。自分が買った物を知らないということはあり得ませんね。それで、日本語はこうなります。
  • おみやげを持って来たよ。
  • (それがお菓子なら) お菓子を持って来たよ。
  • いい物を持って来たよ。
このテーマにおいては、日本語の方が英語より具体的な表現をするんですね。

最後に、また神社の話です。
伊勢ではこの神様の引っ越しの儀式が690年から20年ごとに続いています(戦争での中断はありましたが)。これってすごいと思いませんか?私は神様を信じているわけではありませんが、紀元前から伝えられている神話や歴史的事実に基づいて、今でも厳しゅくに、かつ大がかりに神様にまつわる儀式が行われているということは、とても興味深いです。来月2日と5日に伊勢神宮で式が行われるので、興味のある方は行ってみてはいかがですか?

直訳できない "It's a beautiful day!"

 明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!! と言いながら、最近はブログの更新をなまけています。読んでくださる方、ありがとう。 2023年は世界に平和が訪れることを心から願います。歴史を振り返ると、人間は戦争を繰り返していますね。今までの人類の半分は戦争で死ん...